耳と聴覚(Ⅰ)

そうだったのか!人体の構造  ~耳と聴覚~

耳と聴覚

ヒトの感覚の中では、視覚が最も優位な感覚である。しかし、言語を発達させたヒトにとって、聴覚はコミュニケーションに欠かせない感覚であり、言葉を聞き分け、理解するための巧妙な仕組みをつくっている。








耳のはじまり
脊椎動物の歴史を遡ると、聴覚器官は水中の振動を感受する感覚器官として出発し、その後の陸上生活の中で、空気中を伝わる振動を感知する器官として発達したことがわかる。
つまり、最初に地上の振動を感知する器官が作られ、その後、空気の振動を感知するように作り変えられ、さらに、増幅装置・波長の振動数の違いを感知する装置が加えられていったのである。

ヒトの聴覚器官
ヒトの聴覚器官の大半、とくに重要な装置は、側頭骨の中に埋もれ、平衡覚器官と同居している。
それは、魚類時代に聴覚と平衡覚が振動を受容する器官として出発したためである。ヒトの聴覚器官の特徴は、集音能力を高めるのではなく、音の分析能力を高めていることである。つまり、伝導された情報を解析する脳機能が発達しているといえよう。

●外耳
聴覚器官は、外耳・中耳・内耳に分けられる。外耳は、耳介・外耳道・鼓膜からなる。
耳介は、その大部分が軟骨(耳介軟骨)で硬く、下端だけが軟骨がなく柔らかい(耳垂)。耳介は集音装置であるが、ヒトでは縮小し、耳介を動かす筋(耳介筋)の作用も弱い。そのため、耳介を自由に動かし、音の方向や大きさに気を配る能力は弱い。
外耳道は、耳介の中央部に空いた穴(外耳孔)に続くトンネルである。ここの壁は、言葉の周波数に相当する2500~4000Hzの音に共振し、この範囲の音を3倍に増幅する。
外耳道の先は、鼓膜で行き止まりである。外耳道に伝えられた音の振動は鼓膜で受容される。

中耳・内耳については、次回のブログで紹介したいと思います。

~長戸康和(東海大学医学部基礎医学系)~

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